パスポイントWiFiとは？

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出典：Sam Churchill/Flickr

CC BY 2.0

パスポイントWiFiとは、どのような仕組みなのか？

Wi-Fiアライアンスによって提供されるPasspointは、「Wi-Fi®ホットスポットネットワークへのシームレスで安全な接続」を提供します。しかし、他の優れたアプリと同様に、Passpointもさらに進化しています。以下では、Passpoint WiFiとは何か、どのように機能するのかを詳しく説明します。

2012年に登場したPasspointですが、多くのWiFiユーザーがその機能を知らないまま、日々利用しています。 Passpointのマーケティング用語である「Hotspot 2.0」をご存じでしょうか？

WiFiパスポイントの概要

Passpointは、WiFiホットスポットへの接続を簡素化・効率化し、ユーザーのデバイスを自動的に認証します。これは、携帯電話の電波塔のクモの巣に例えると、電波塔間でデバイスの信号を受け渡す代わりに、ホットスポット間の接続をジャンプさせます。

Passpointがなければ、端末が別のホットスポットにアクセスするたびにログインする必要がありました。 Passpointは、ユーザーが一度サインインすれば、端末がアクセスポイント（AP）から次のアクセスポイントに移動するたびにその認証情報を使用します。ユーザー認証は接続のたびに行われます。もちろん、この接続の転送を実現するには、ホットスポット（ルーターなど）がPasspointをサポートしていなければなりません。

パスポイント別名IEEE 802.11u-2016

Passpointについては、Wi-Fi AllianceがIEEE 802.11-2007規格を改正し、外部のWiFiネットワークとの相互接続を容易にしました。この改正により、以下のような機能的な問題に対処しています：

メタデータ（IPアドレスタイプ、EAP認証、NAIレルムなど）を用いてネットワーク選択を行うAccess Network Query Protocol ( ANQP ) によるWiFiネットワークの自動検出と選択；
トラフィックシェーピング、すなわちQoSデバイスの配布は、質の高いインターネット体験を実現します；
WiFiメッシュの展開（ユーザーエンドデバイスをネットワークノードとして含む）を促進する；
WiFiネットワークへのセルラートラフィック（LTE、3G）のオフロードを促進します。

Hotspot 2.0は、携帯電話会社のデータ使用量を減らしながらWiFiの通信エリアを拡大し、携帯電話会社はWiFiネットワークにトラフィックをダウンロードすることでモバイルネットワークの混雑を緩和し、WiFiプロバイダーはユーザーの購買選択、人口統計、位置情報に基づいてマーケティング戦略を立案し、サービスを収益化することを目的とした、すべてのネットワーク関係者にとって有益なサービスです。

ここでは、ラッカスネットワークスのシニアプリンシパルエンジニアであるDave Stephenson氏に、Passpoint 2.0について解説していただきます：

パスポイントの安全性は？

IAGは、WiFiユーザーに対し、公共のホットスポットでネットサーフィンをする際にはVPNを利用してオンラインセキュリティを保護するよう一貫して勧告していることから、パスポイントのセキュリティ機能を疑問視することは適切であるといえます。

現在、PasspointはWPA2とWPA3の両方をサポートし、「企業レベルのセキュリティを拡大」しています。最近のIAGの記事で述べたように、これらのセキュリティアルゴリズムは両方ともクラックされる可能性があります。

また、米国とイスラエルのコンピュータ・セキュリティ専門家チームによると、Wi-Fi AllianceはWPA3のSAEハンドシェイクの安全性確保に失敗し、仕様にいくつかの設計上の欠陥を埋め込んでしまったといいます。

また、サイバーセキュリティを重視するのであれば、WiFiを使用せず、有線のイーサネット接続を使用することをお勧めします。

パスポイントサポート

OEM、MNO、MSO、OSの各プラットフォームは、Passpointを端末に広く導入しています。ただし、PasspointはOEMにとって義務ではなく、端末に組み込むかどうかは自由です。なお、PasspointはSIMおよび非SIM Wi-Fi端末で確認することができます。

デバイスのソフトウェアがPasspointをサポートする場合、製造者は「期待される機能」を満たす義務があり、これは基本的に802.11u標準への準拠を意味します。

iOSでは、PasspointはWiFiマネージャに組み込まれているため、WiFiがオンになっていればPasspointもオンになっています。 WiFiをオフにすることで、ユーザーはPasspointを無効にすることができます。

Androidでは、WiFiメニューの「詳細」または「その他」から「ホットスポット2.0」または「パスポイント」を選択し、パスポイントをオンにする場合はチェックボックスをオンにし、パスポイントをオフにする場合はボックスをオフにします。

Passpointをサポートするオペレーティングシステムは以下の通りです。

Android（「Marshmellow」、通称6.0以降）
ウィンドウズ10
iOS/macOS（ともに10以上）
関連項目: Spectrum WiFiのパスワードが効かないのを直す5つの方法

デバイスは以下の通りです：

Ruckus、Han Networks、Alcatel-Lucent、LG、富士通、D-Link、Cisco-Meraki、Arris、Broadcom、その他多くのOEMが販売するルーターです。

iPhone 11/Pro/Max、Samsung Galaxy Note 10+、Galaxy S7をはじめ、富士通、LG、ソニー、クアルコム、モトローラなど、多くのメーカーの機種が対象です。

その他、「コンピュータ＆アクセサリー」、「ゲーム、メディア＆ミュージック」、「スマートホーム」、「タブレット、イーリーダー、カメラ」、「テレビ＆セットトップボックス」などがあります。 2020年1月15日現在、48,000以上の製品がパスポイント認証を受けています。このうち約4分の1はルーターです。デバイスの全リストはこちらを参照してください。

ユーザーは、以前のr1とは対照的に、Passpoint r2を採用することをお勧めします。また、アライアンスは2019年5月にr3をリリースしましたが、歴史が信頼できる指標であるならば、OEMは新しいリリースをデバイスに実装するのに時間がかかるでしょう。

MSO、MNO、パスポイント

パスポイントは、移動体通信事業者（MNO）の協力とMSO（ケーブル会社）プロバイダーによる実装がなければ機能しません。

特にMNOは、モバイル無線通信を行うために大金を払って周波数ライセンスを取得しており、もともとWiFiを収益への脅威と見なしていたため、パスポイントの導入が遅れたのです。

しかし、モバイル機器の利用が爆発的に増え、ネットワークにかかるトラフィック負荷が増大しているため、可能な限りWiFiネットワークにトラフィックをオフロードすることが喜ばれています。米国では、AT&T、T-Mobile、Sprintが、パスポイント()を活用しています。 が、Verizonではなく、以下参照。 ).

ユーザーが最適なPasspoint WiFiを利用するためには、Hotspot 2.0を導入する各MSO間のネットワーク資産の調整がより重要です。

アメリカのMSOであるComcast、AT&T、Spectrum、Boingo WirelessはいずれもPasspoint対応のネットワークを提供しています。 ISPプロバイダーの広告で、加入者に何十万もの無料公衆無線LANホットスポットを提供していると書かれている場合、その大部分はPasspointテクノロジーによるものです。

ベライゾンがパスポイントに合格

Big RedはPasspointをサポートしていないため、Verizonの加入者がPasspoint対応ネットワークを利用する際に、自動的にそのネットワークに接続されることはない。

fieriouswireless.comに寄せられた声明の中で、ベライゾンはパスポートのサポートに消極的であることを曖昧にし、キャリアは "将来の使用に向けてHotspot 2.0/Passpoint WiFi技術の使用を評価している "とだけ述べている。

FierceWirelessの編集長Mike Danoは、VerizonがPasspointに消極的なのは、「顧客のネットワーク体験を直接コントロールしたいという長年の願い」によるものだと推測し、「Verizonは、顧客に良いサービスを提供する他社を信用したくないのかもしれない」と述べています。

もちろん、他力本願ではない動機もある。 Verizonは、キャリアが所有するWiFiホットスポットに代わるLTE-Uを支持した。この技術は、もともとQualcommが提案した、免許不要の周波数（すなわち5GHz WiFi周波数）上でLTEを使用する。 Verizonは2014年にLTE-Uフォーラムを設立し、LTE-Uで動作するコンシューマ機器と基地局の仕様を策定した。

LTE-Uの導入に最初に反対したのはGoogleで、2015年にFCCにLTE-Uに関する正式な抗議を提出した。その数ヶ月後にはWi-Fi AllianceとNational Cable & Telecommunications Association（NCTA）が加わり、LTE-Uが他のWiFi機器の性能を著しく低下させるという懸念を表明した。

翌年、Wi-Fi Allianceは、Wi-FiとLTE-Uの両方を使用する「共存」テストプランを発表しましたが、その直後、クアルコムとベライゾンは、このテストプランの実施を渋り、ビッグレッドは「根本的に不公平で偏ったプラン」であると主張しました。

LTE-Uは、現在、VerizonとT-Mobileの両社が米国の限られた地域で、NokiaとEricsson製の基地局を使用して使用しています。 2019年7月現在、世界24カ国、37社の通信事業者がこの技術を導入しています。

コーダ

Wi-Fiアライアンスは、パスポイントが「WiFi4EUの仕様」であり、「ヨーロッパ中の自治体の公園、広場、公共施設、図書館、健康センター、博物館などの公共スペースで、市民がWi-Fi接続に無料でアクセスできるようにするイニシアティブ」であると明言しています。

なお、「参加できるのは自治体（またはそれに準ずる地方行政機関）または自治体の連合体のみ」となっており、インターネット接続のダウンロード速度が「少なくとも」30Mbpsであること、APがIEEE 802.11ac規格に準拠していること、「性能劣化なしに少なくとも50人の同時ユーザ」をサポートすること、Hotspot 2.0に準拠していることなどが条件となります。

もちろん、このような政府の取り組みは、現在米国に存在するキャリア主催のWiFiホットスポットモデルから利益の「空気」を奪ってしまう。したがって、Verizonのような「呑気な」MNOが、パスポイントよりもLTE-Uを好むのは不思議ではない。

Dennis Alvarez

デニスアルバレスは、この分野で 10 年以上の経験を持つベテランのテクノロジーライターです。インターネットセキュリティやアクセスソリューションからクラウドコンピューティング、IoT、デジタルマーケティングに至るまで、さまざまなトピックについて幅広く執筆しています。デニスは、技術トレンドを特定し、市場力学を分析し、最新の開発について洞察力に富んだコメントを提示することに鋭い目を持っています。彼は、人々がテクノロジーの複雑な世界を理解し、情報に基づいた意思決定ができるよう支援することに情熱を注いでいます。デニスは、トロント大学でコンピューターサイエンスの学士号を取得し、ハーバードビジネススクールで経営管理の修士号を取得しています。執筆以外の時間は、デニスは旅行をしたり、新しい文化を探索したりすることを楽しんでいます。